2005年12月18日

『ロメオとジュリエット』



初演:キーロフ・バレエ キーロフ劇場 1940年1月11日
振付:レオニード・ラヴロフスキー 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ           ボリショイバレエ (1989年 145分)


振付: ユーリー・グリゴローヴィチ           
ジュリエット: ナタリア・ベスメルトノワ        
ロミオ: イレク・ムハメドフ              
マキューシオ: ミハイル・シャルコフ          
ティボルト: アレクサンドル・ヴェトロフ        
パリス: アレクセイ・ファジェーチェフ         
キャピュレット: A.シトニコフ             
キャピュレット夫人: I.ネステロワ           
乳母: E.ボブロワ                   
牧師: ユーリー・ヴェトロフ



[解説]

 シェイクスピアの名悲劇。原作では物語のなかで人間的に成長していくロミオが主人公だが、バレエでは古い体制に反発しながら愛を貫いて死を選ぶジュリエットに焦点を当てている。

 沢山の振付家が沢山のバージョンを上演している。1965年に発表されたマクミラン版はその中でも完成度が高く、それ以降に振付けられた別バージョンにも多くの影響を与えている。マクミラン版をレパートリーにしているのは、本家の英国ロイヤルバレエの他、アメリカンバレエシアター、ミラノスカラ座など。日本では、新国立劇場がマクミラン版を採用している。



 19世紀終わりから20世紀前半までに作られた多くのバレエは、踊りの部分と、物語の進行部分が分かれているものが主だが、マクミラン版のロメオとジュリエットは踊りと演技の融合に成功している。台詞が無いとはいえ演劇としても見ごたえがある。

 ティボルト役のアレクサンドル・ヴェトロフがとてもきりっとした美しい踊り。マキューシオ役のM.コレシェフもしなやかでパワーを感じさせる。

 3幕にはロメオが追放され、後悔しているようなソロがある。ジュリエットが薬を飲むときの幻想で、死んだマキューシオやティボルトが出て来る。マンドリン隊が結婚式の朝に登場。また婚約者パリスのソロもある。更にジュリエットの死を知ったロメオのソロ。



[ストーリー]

【第一幕】

 舞台はイタリア、ヴェローナ。ロザラインに振られてへこんでいるモンタギュー家のロメオと、悪友のマキューシオ、ベンヴォーリオが朝の市場でつるんでいると、宿敵キャピレット家のティボルトがやってきて小競り合いが始まる。騒ぎを聞きつけてやって来た喧嘩好きな両家の君主が、伝家の宝刀を振り回して乱闘になり、ヴェローナ大公に叱責される。

 キャピレット家で仮面舞踏会が開催される。ロメオ、マキューシオ、ベンヴォーリオの三人組は、見つかればつまみ出されるのを承知で、仮面をつけ舞踏会に乗り込む。ロザラインに失恋したばかりのロメオは、宴たけなわの舞踏会でキャピレット家の娘ジュリエットと鉢合わせ、お互い一目ぼれする。舞踏会には、両親が選んだジュリエットの婚約者も出席しているのだが、彼の立場は形無しなのである。

 舞踏会が終わり自室に帰ったジュリエットは、バルコニーでロメオに思いを馳せる。すると話が早いことに、ロメオがバルコニーに忍び込んできて、有名なバルコニーのパ・ドゥ・ドゥーが踊られる。



【第二幕】

 ロメオとの結婚を決意したジュリエットは、乳母に手紙をたくし、ロレンス神父の教会で電撃極秘婚を果たす。新妻ジュリエットと別れた帰り、市場で悪友のマキューシオが飽きずにティボルトと喧嘩を始め、運の悪いことに殺されてしまう。親友の死に憤慨したロメオは、ティボルトを殺し、その結果町を追放されることになる。

【第三幕】

 寝室のパ・ドゥ・ドゥー。ジュリエットと最初で最後の一夜を過ごしたロメオは、悲しみのジュリエットに後ろ髪を引かれながら、町を去る。

 ティボルト亡き後、ジュリエットの両親は、彼らが選んだ婚約者との結婚をジュリエットに迫る。もちろんジュリエットが既にロメオと極秘婚している事実は知らない。出口無し状態で切羽詰ったジュリエットは、ロレンス神父に泣きつく。そこで、一週間だけ仮死状態になるという薬をもらい、帰って早々薬を飲み干す。

 ジュリエットの葬式。キャピレット家のカタコンベ(墓場)で、婚約者はジュリエットのそばを離れない。そこへ、ジュリエットが本当に死んだと思ったロメオが、修道僧に変装して忍び込んでくる。婚約者は呆気なくロメオに殺されてしまうのである。仮死状態のジュリエットをひとしきり持ち上げたり抱きしめたりした後、ロメオも服毒自殺する。ロメオが息絶えた瞬間、仮死から目覚めたジュリエットは、ロメオの死体を見つけ絶叫し、恋人の短剣で胸を刺して、今度は本当に死んでしまうのである。



★一言★

 プロコフィエフの音楽の渋みが解ると病みつきになります。特にマクミラン版の振付は非常に雄弁で踊りから物語が語られている、実に巧みなものでした。

 ヌレエフの残した貴重なイタリアでの映像は彼が役者であったことを伝えてくれます。

posted by 主宰 at 09:59 | TrackBack(0) | 古典作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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